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食う寝る坐る永平寺修行記 (新潮文庫)
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| 商品カテゴリ: | 人文,思想,学習,考え方
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| セールスランク: | 14684 位
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永平寺のご様子は、現代の社会にも通じます。
厳しいご様子は、色々な方が記されています。果たして、得たものは何か?変わったことは?しっかりと記されています。体にまった蚊をたたき殺す直前に一瞬、躊躇するようになった。必要以上多く食べることをしなくなった。必要以上に深く考えることもしなくなった。泣ける男になった。随分軽いことかなとも、思いましたが、そうかもしれません。現代、不況の真っ只中にある場合、それ、仕事することがもう修行かもしれません。永平寺の門をたたいた筆者が体験された、究極の食事。究極の掃除。究極の睡眠。それが現代社会もそうなりつつあるに違いありません。その意味で、現代に生きられる特に若い世代には必読書であることでしょう。派遣社会を生きる上において、いつ首になるのかわからない社会。それは、もう、体をたたかれる以上に厳しいかもしれません。現代社会に生きる道元禅師の言葉。特に私は、私の家にも色紙になっている言葉。柄杓の底に残ったわずかな水にも法を説き、谷川へ戻した。との意味の、「杓底の一残水、流れを汲む千億人」を最後に記します。
自分探しの終焉
本書は自分探しに世界を旅する人々にお薦めである。
本当の自分など今座っているこの足元にしかなく、
人は所詮食べて排泄するだけの存在ということが
よくわかるから。
修行とは「自然に近づくこと」なのではないだろうか
廻廊を 登るにつれて 紅葉濃し 高浜虚子
もっとも印象に残ったのは、永平寺を詠んだこの句から始まるくだりだった。
道元は、『正法眼蔵』谿声山色(けいせいさんしょく)の巻に、こう書いてい
るという。
「たとえ谿(たに)の声や山の色が真理を現わしていたとしても、谿山が谿山
であることを見極める正しい修行をしなければ、その真理を見、聞くことはで
きない」
野々村馨はそのあとに書いている。
「永平寺の生活は、現代社会の生活から遥かに後方を歩いている。この生活は
また、自分の体を自然に向けて押し広げる生活であり、体が自然に近づくと自
然のいろいろなものが感じ取られ、驚かされる」
人間は本人が好むと好まざるにかかわらず、自然のなかにあって、自然の一部
にすぎない。それをうっかり忘れちゃっているような、現代社会。もしかして、
おかしな犯罪が最近多いのは、自然から離れすぎちゃっているせいかも?
自然は人の言うままになど動かない。人は自然をもっと見つめて、もっと自然
に近づいたほうが、自然のなかに身を任せたほうがいろいろなものが見えてく
るのかもしれない。だからといって、川の護岸工事なんかしなくてもいいとか、
みんなが冬に暖房もなくがたがた震えていればいい、というわけではないのだ
けれど。でも、永平寺の雲水さんたちは、自然を見つめて自然に近づくような
生活をしているから、四季のうつろいの美しさという、自然からのささやかな
ご褒美を肌で感じ取り楽しむことができるのだろう。
いろいろな面で読むべき本
(1)どんな本か
サラリーマンとして普通の生活を送っていた著者が出家し、永平寺で1年間修行したその記録。「ライターの潜入記」のようなものではなく、まじめに修行した結果書かれた本。
(2)感じたこと
他のレビュアーさんも書かれているように、前半は先輩雲水の理不尽な暴力にショックを受けた。旧日本軍的な体質(暴力がないだけで現代の会社組織にもこの気風はすごくあるが・・・・)そのままという感じで、「こんなものが宗教と言えるのか」とさえ感じた。
また、道元が洗面、食事、用便などについて、ほんとに、こと細かく書いているのはびっくりした。現代の普通の生活からみれば、「こんな細かいことまで言われたくないわ」という感じ。
しかし、著者は、暴力や厳しい修行に対して批判的ではなく、むしろそれをありがたいことととらえている。この本を読み進めれば、そんな著者のまっすぐな修行態度に感動をおぼえ、禅の精神の一端がわかったような気になってくる。
(3)読むべきか
前半は、著者のナイーブさが出すぎているとともに、修行生活の事細かなことが多く書かれており、少し読みにくい。しかし、読み進めるほどに引き込まれる。
私の場合は、ただなんとなく日々を送ってしまい、ふりかえることのない自分を少し見つめなおすことができた。そして、宗教とは何かをもう一度考えてみようと思った。
まじめにていねいに書かれたよい本なので、お勧めしたい。
厳しすぎる
1996年に出た単行本の文庫化。
永平寺には2回、行ったことがある。そのときは、永平寺もたいしたことないな、観光地化されすぎている、と感じたのだが、我々には見えないところに真実が隠されていたようだ。これほど辛い修行の場だったとは。
これまで禅寺の修行とか、出家といったものに漠然とした憧れを持っていたのだが、改めなくてはいけなくなった。実際に出家を考えている人には、ぜひとも読んで欲しい。あと、「ZEN」に過剰な憧れを抱いているヨーロッパやアメリカの人たちにも。
新潮社
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